転職を検討している人の中には、自分が今まで経験してきた業界や職種ではなく、未経験の業界・職種への転職を考えている人もいるでしょう。ただ、未経験の仕事に挑戦をしようとするとき、「選考で不利なのではないか」「給料が下がってしまうのでは」といった不安を覚える人もいるのではないでしょうか。
この記事では、未経験でも転職しやすい業界・職種や、未経験者が転職を成功させるためのポイントについて解説します。未経験業界・職種への転職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
そもそも未経験でも転職できる？
結論からいうと、未経験でも転職をすることはできます。もちろん、経験者と比較をすると選考で不利になる部分は多々ありますが、それでもなぜ未経験なのにその仕事を選んだのかきちんと採用担当者に伝えて納得してもらえれば、未経験であっても希望の仕事に就ける可能性は十分にあります。ただ、一口に「未経験」といってもさまざまな未経験があるので、その種類についてと、企業がなぜ未経験者を募集するのか順に解説します。
―「未経験」には3種類ある
求人票に記載されている「未経験可」には、大きく分けて3つの種類があります。
このうち、「業界未経験」であれば転職のハードルはそこまで高くありません。なぜなら、職種を変えずに転職を行うということになるので、今までの経験を活かしやすいからです。もちろん業界が変われば新たに覚えなければいけないことはあるはずですが、それでも比較的早く戦力として活躍してくれる可能性が高いので「業界未経験」を歓迎している求人は多いです。
「職種未経験」の場合、業界は変えないが職種のみ変えるということであり、「業界・職種未経験」は業界も職種もどちらも未経験のことを指します。これらは今までの職種での経験が新しく希望する職種にどのように活かされるか次第で難易度が変わります。しかし、職種未経験や業界・職種未経験での転職が、必ずしも難しいわけではありません。以下でその理由について解説します。
―企業が未経験者を募集する理由
企業が中途採用において未経験者を募集する背景として、いくつかの理由が考えられます。それぞれ理由別に解説していきます。
理由1. 中長期的な成長を期待している
経験者であればある程度今までの経験を軸とした考え方を持っていることが多いですが、未経験者であればフラットに１から吸収が可能です。長い目で見て自社の利益につながる人材に成長することを期待して、未経験者を募集することがあります。
理由2. 現在の組織にない新しいアイデアを取り入れたい
経験者にとっては当たり前の知識も、未経験者にとっては当たり前のことではありません。そのため、それが今までになかった考え方や意見、アイデアにつながることもあるでしょう。また、他業界・職種で得たスキルや経験をもつ人材の視点を取り入れることで、組織に新しい風を吹かせるということに期待して未経験者を採用することもあります。
理由3. とにかく人手が足りない
そもそも人材が不足している業界においては、未経験可の求人が多いです。特に業績が急速に伸長していたり、新規事業に取り掛かろうとしていたりする企業は人手が必要になります。そのような成長市場の業界や企業の場合は、未経験者も積極的に募集することがあります。
未経験の転職でおすすめの業界
次に、未経験の転職でもおすすめの業界を紹介してきます。前述の通り、人手が足りていない業界は、未経験であっても積極的に募集している企業が多いです。具体的には、次の業界は有効求人倍率が高い状態が続いており、人手不足であることが考えられます。
おすすめの業界5選
小売業界
IT・情報通信
医療・福祉業界
建設業界
製造業界
未経験の転職でおすすめの職種
ここからは、未経験でも転職しやすいおすすめの職種とその理由を紹介します。
―営業職
営業職には、法人営業や個人営業、メーカー営業、代理店営業、ルート営業、訪問営業などさまざまな種類があります。そのため、求人数が多く、未経験であっても応募できる求人があります。もちろん、選考時に営業の経験や実績を重視されることもありますが、中にはコミュニケーション能力や傾聴力などその人の人柄や適性を重視し、営業経験を問わない求人も存在します。
―接客・販売職
接客や販売職は、専門的な資格が必要であることが少なく、ほかの職種に比べて経験も問われにくい場合が多いです。また、業務内容もマニュアル化されていることもあり、未経験からのスタートでも比較的安心して始められる仕事のひとつです。ただし、人と接する機会の多い仕事のため、営業職と同様でコミュニケーション能力や傾聴力といった部分を選考時に見られやすいです。そのような適性に当てはまっていれば未経験でも接客・販売職に転職できる可能性は十分にあるでしょう。
―介護職
介護職には、介護士や介護福祉士、ケアマネージャーなどの職種があります。少子高齢化の影響で、全国に介護施設は増えているのに対し、介護業界は人材不足の状態です。そのため、多くの介護施設が未経験の人材も積極的に採用しています。資格がなくても介護職につくことは可能ですが、業務内容によっては国家資格である「介護福祉士」などの資格が必要なケースもあるので、転職前に資格の取得も検討しておくとスムーズに転職活動を進められるでしょう。
―WEBマーケティング
獲得施策の立案など、多岐に渡ります。専門知識や技術がないと難しいだろうと不安に感じる人がいるかもしれませんが、需要の高まりに応じて、未経験可の求人が増えている職種でもあります。あらゆる業界の企業から求められている仕事であり、求人数も多く未経験でも応募できる求人は多いのです。
―ITエンジニア
ITエンジニアは、システムエンジニア（SE）やネットワークエンジニア、プログラマー、WEBエンジニアなどさまざまな種類があり、それぞれ業務領域や求められるスキルが異なります。即戦力である経験者を求める企業が多いですが、スキルがあることを証明できれば、未経験でも採用される可能性はあります。ただし、未経験の場合はスクールに通って、ある程度実務が問題なく行える状態にしておくのがおすすめです。転職支援などのサポートが充実しているスクールもあるため、積極的に利用してみてください。
未経験での転職を成功させるための3つのポイント
ここからは、未経験で転職を成功させるためにおさえておきたいポイントを3つ解説します。
ポイント1. 転職の目的を明確にする
未経験業界・職種への転職に挑戦するなら、なぜその業界・職種に転職したいかの理由を明確にしましょう。さらに、3年後・5年後・10年後の具体的なキャリアビジョンを描いておくと、採用担当者に即戦力ではなくても中長期的に成長が期待できる人材だと評価され、転職の成功につながりやすくなります。
ポイント2. 採用担当者が納得できる志望動機を準備する
未経験者はスキルが不足している分、志望動機が重視されます。数多くの業界・職種の中から「あえて未経験でその業界・職種を選んだ理由は何なのか」、採用担当者に納得してもらえるような内容をきちんと考えておきましょう。また、ポテンシャルを期待してもらえるよう、これまでの経験から応募先で活かせるエピソードや、新しい仕事に挑む熱意を伝えられるようにするのがベターです。
ポイント3. 資格取得など意欲をアピールできる要素を作る
未経験であっても意欲をアピールするための要素を作ってから選考に臨むことが大切です。例えば、資格取得に向けた勉強をしている、スキル習得のためにスクールに通っているなど、努力していることを伝えられると良いです。経験を補うために、具体的にどのような準備を行っているかをアピールし、採用担当者に意欲を示せるようにしましょう。
まとめ
未経験の転職には「業界未経験」「職種未経験」「業界・職種未経験」の3種類があります。その中でも、今までの経験が活かしやすい「業界未経験」であれば比較的転職の難易度は高くないですが、「職種未経験」や「業界・職種未経験」の場合は、志望動機や今までの経験をどのように新しい仕事で活かすか、きちんと準備をしてから選考に臨むことが大切です。
人手不足の業界や職種であれば、未経験可の求人も増えるため転職しやすくなります。そのような業界や職種を狙って、転職活動をしてみることもひとつの手です。ぜひ十分な下調べを行ったうえで、自分の納得のいく転職活動を行ってください。
この記事を監修したキャリアアドバイザー：
八重樫 勇輝
株式会社ReBoot代表取締役
年齢：29
出身地：岩手県
趣味：漫画・映画鑑賞
経歴：
自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。
現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。
求職者の皆様への一言：
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