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【転職ノウハウ】「手取り」とは?転職時に抑えておくべきポイントまとめ!



求人情報に「手取り」「額面」という言葉が使われていることがあります。しかし、それぞれの言葉の違いをあまり理解していない人もいるでしょう。給与に関する言葉の定義をしっかりと知っておくことで、仕事を探す際に自分の希望条件を正確に絞りこむことができ、応募先との給与交渉もしやすくなります。そのため、「手取り」や「額面」といった言葉の意味を理解しておくことは大切です。


この記事では、手取りと額面の違いから、税金の種類や手取りの算出方法、また転職時におさえておきたいポイントについて紹介します。自分の手取り額がいくらになるのか知りたい人や、これから転職活動を行う人で給料に関して不安がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

もくじ

 

額面と手取りの違いとは


給与明細には、基本給をはじめ、時間外労働手当(残業手当)や通勤手当(交通費)など、支給される金額のほか、引かれる税金や保険料などの情報が記されています。では、「額面」や「手取り」といった金額は、給料明細のどこを見れば分かるか、以下で詳しく解説します。


―「額面」は会社から支払われる金額のすべて


「手取り」とは、自分が実際に受け取る金額のことです。手取り金額は給与明細の「差引支給額」の箇所を見れば分かります。

会社から支払われる給与は、全額そのまま自分の手元に入るわけではなく、厚生年金保険料や健康保険料といった保険料や、所得税などの税金を給与からあらかじめ天引きし、それらの金額を差し引いた金額だけが残ります。国に納める税金の支払い漏れを防ぐために、このように事前に会社が税金や保険料を給料から差し引く仕組みが適用されています。


―「手取り」は自分が実際に受け取れる金額


手取り額を算出するには、「総支給額」と「控除額」を把握すれば計算することができます。総支給額は、基本給をはじめ通勤手当や時間外労働手当などの各種手当を含む、会社から支給されている金額すべてを指します。控除額とは、保険料や税金など総支給額から差し引く金額のことです。では、給与から毎月どのくらいの保険料と税金が控除されているのでしょうか。一口に保険料や税金といってもさまざまな種類がありますので、ここから詳しく解説します。


額面から手取りを計算する方法


額面から引かれるお金の種類には、大きく分けて「社会保険料」と「税金」があります。そのほかにも、企業年金や財形貯蓄など会社によっては定期的に差し引かれる金額があります。下記でそれぞれ詳しく解説します。


〇社会保険料

社会保険料とは、「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の4つの総額のことです。介護保険料は、40歳以上の会社員に納める義務が発生するものですが、そのほか3つの保険料については、基本的には会社員であればすべての人が支払わなければいけない保険料となります。以下でそれぞれどのような保険になるのか、紹介します。


健康保険料

健康保険料は、公的な医療保険制度を支える財源となるもので、国民の医療費の負担を軽くするために設けられています。支払い額は、額面の金額によって変動します。また、健康保険には健康保険組合、共済組合、協会けんぽの3種類があり、どの健康保険に加入するかは会社によって異なります。


介護保険料(40~64歳)

介護保険料は、要介護者を支える介護保険制度の財源になるもので、40歳から64歳までの会社員や自営業者が納める保険料です。支払い額は、額面の金額によって変動します。なお65歳以上からは給与からの天引きではなく、支給される年金から天引き、もしくは納付書による普通徴収といういずれかの形式で納付義務は継続します。


厚生年金保険料

厚生年金保険料は、原則65歳から支給される、いわゆる「老齢厚生年金」の財源になるものです。支払い額は、額面の金額によって変動します。企業に就職してから退職するまで、または70歳に到達するまで支払う必要がある保険料です。


雇用保険料

雇用保険料は、雇用保険の掛け金です。加入者は失業した際に、次の仕事が見つかるまでの手当を受け取ることができます。さらに、スキルアップの支援など各種就職支援サービスを受けられます。支払い額は、額面の金額と勤める会社の事業種類により変動します。


〇税金

税金は、以下に紹介する「所得税」「住民税」の2種類です。それぞれどのような税金なのか解説します。


所得税

課税所得額に応じて個人が国に対して納める税金です。本来は、1年間の収入が確定してから納める金額が確定する仕組みになっていますが、会社員の場合はあらかじめ会社が見込み額を算出して毎月給与から天引きしています。あらかじめ所得税が給与から差し引かれることを、「源泉徴収」といいます。見込みとの差分は、年末調整によって調整されます。過不足があった場合は、還付が受けられたり、税金を追納したりして調整します。


住民税

課税所得のある個人が毎年1月1日時点で住民票がある都道府県や市区町村に対し、住民サービスの充実などに役立てるため納める税金です。住民税は、前年1月1日~12月31日の所得をもとに決定し、その年の6月から翌年の5月にかけて毎月給与から天引きされます。


〇その他

社会保険料や税金以外にも、毎月の給料から控除される金額がある可能性があります。それは、企業年金や財形貯蓄、労働組合費、退職金など、会社や自分自身が積み立てているものがあれば、定期的に給与からその分の金額が差し引かれます。これらは、会社の制度によっても異なりますし、毎月いくら積み立てるかといった自分の設定によっても異なります。給与明細を見て不明な項目があれば、会社の人事部や総務部など担当部署に確認してみましょう。



―おおよその手取りの計算方法


手取り額は、企業年金や財形貯蓄など特殊な控除額が多くなければ、総支給額の75~85%となることが多いです。おおよその手取りを知りたい場合は、額面に0.75~0.85の数字をかけることで計算ができます。また、下記の図は、それぞれ年収と月給の額面から、おおよその手取りを計算した一覧表です。手取りの金額に幅があるのは、前年の年収や扶養家族の有無など、人によって控除額に差があるため、その点を考慮しています。


年収別手取り額一覧表

​年収の額面

おおよその手取り

​300万円

225万円~255万円

400万円

300万円~340万円

500万円

375万円~425万円

600万円

450万円~510万円

700万円

525万円~595万円


転職活動時におさえておきたい給料にまつわるポイント


転職活動において、給料は重視したい項目の一つであることが多いでしょう。そのため、自分と応募先の企業間で給与条件の認識の違いが起きた場合、トラブルに発展する可能性もあります。そのような事態を防ぐために、面接で自分の希望する給与や年収を正確に企業側に提示できるようにしましょう。ここからは、おさえておくべき給料に関するポイントを2つ解説します。


―ポイント1. 求人情報に記載されている金額は「額面」である


求人情報にある基本給や月給、月収といった言葉で示されている金額は、基本的に「額面」の金額です。これは保険料や税金が引かれる前の金額のため、実際に受け取る金額は求人情報にある金額よりも少なくなります。額面の金額を記載する理由としては、額面から引かれる保険料や税金の額は人によって差があるため、正しい手取り額を載せることが難しいからです。 求人情報を見る際は、現職または前職の額面と求人情報の給与を比較しながら検討すると良いでしょう。


―ポイント2. 希望給与や現職の年収を聞かれたら「額面」を伝える


転職の面接や条件交渉面談で、希望する給与や年収を聞かれた場合は「額面」の金額を伝えましょう。基本的に企業側は転職志望者の希望する額を額面の金額として捉えます。そのため、額面ではなく手取り額の給与を伝えてしまうと、転職後大幅に年収が下がってしまう可能性があるので注意が必要です。


そのほか、よくある手取りに関する疑問


ここまで基本的な手取りに関する定義や計算方法を紹介してきましたが、そのほかにも手取りに関する疑問を持つ人もいるでしょう。今回は、その中でもよくある2つの疑問について詳しく解説します。


―Q1. 4月から6月の期間にたくさん稼ぐと手取りが減るって本当?


4月から6月にたくさん稼ぐと手取りは減ります。その理由としては、社会保険料の支払額が増えるからです。社会保険料は、その年の4月から6月の給与の平均額をもとに算定されるため、この期間に稼ぐ金額が増えるとその年の9月から翌年8月の社会保険料の支払額が上がります。社会保険料の支払い額が上がると、給与から天引きされる金額も上がることになるので、手取り額が減ります。

ただし、社会保険料の支払額が増えることは損なことばかりではありません。長期的に見ると、傷病手当金や老後の年金が増えるというメリットがあります。目先の手取り額の増減だけではなく、将来的な視点も踏まえて考えられると良いでしょう。


―Q2. ふるさと納税によって手取りが増える?


ふるさと納税は、翌年の手取りが多少増えますが、全体的な収支を考えると支出も増えるので手元に残る金額を増やす手段にはなりません。ふるさと納税とは、応援したい自治体や自分のふるさとに寄付することで税金が控除される制度のことです。メリットとして、税金の控除が受けられるほか、寄付した自治体ごとの返礼品を受け取ることができます。寄付金の上限はありますが、上限を超えなければ自己負担金2,000円を除くその他の金額は控除対象として還付されます。ワンストップ特例制度を利用した場合は、翌年の住民税からその寄付金分を控除するので、その分住民税額は減るため、手取り額が増えます。しかし、これは寄付した金額が控除されているだけなので、全体的に見れば手元に残る金額は増えません。つまり、支払った寄付金額以上に戻ってくるわけではないことを理解しておきましょう。



まとめ


給与は、働くモチベーションを維持するための大切な要素のひとつです。転職活動で求人を探す際には、求人票に記載されている額面から実際に自分が受け取る手取り額は希望に叶っているかどうかなど、転職をする前に十分に事前確認をしましょう。「求人情報の額面から手取りの金額を知りたい」「希望の手取り額から額面を知りたい」といった人は、この記事で紹介した図や計算方法を参考に算出してみてください。

手取りや額面など、仕事を探す際によく出てくる言葉の意味をそれぞれ理解し、面接の際には企業側と自分の認識に相違が生まれないよう、希望の給与を正しく提示できるようにしましょう。

 

この記事を監修したキャリアアドバイザー:


八重樫 勇輝 

株式会社Reboot代表取締役


年齢:29

出身地:岩手県

趣味:漫画・映画鑑賞


経歴:

自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。

現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。

求職者の皆様への一言:

面談から求人のご案内、資料の作成、入社後のフォローまで手厚くサポート致します!










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