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【IT業界解説】システム開発ってよく聞くけど、どんな実態?

更新日:2022年11月16日



数十年前から急激に需要が高まっているIT業界


そのIT業界で日々行われているシステム開発はひとくくりにされがちですが、実はweb系、オープン系、汎用系など数種類に分かれています。


一般の方は違いを明確に理解する必要はありませんが、求められる知識やスキルが違うため、エンジニアとして就職したい方は、それぞれの特徴や違いについて理解しなければなりません。


そこで本記事では、システム開発の種類ごとの違いについて解説していきます。

 

もくじ

 

1.システム開発について


システム開発の種類を解説する前に、まずはシステム開発とは何かについてあらためて確認しておきましょう。


本来システム開発とは、業務を効率化させる仕組みを開発することを指します。

システム開発にパソコンやソフトウェアを使っているかどうかは関係ありません。


しかし現在では、システム開発にパソコンやソフトウェアは必須です。

そのため、IT技術を駆使して業務効率化に資するシステムやツールを開発することを指して「システム開発」とすることが一般的です。


システム開発を行うのは、システムエンジニア(SE)とプログラマーに分かれます。SEは、システム全体の設計図を書く役割です。一方で、プログラマーは設計図をもとにコードを書き、システムを実際に構築していきます。



2.web系とは


web系とは、web上で使用するシステムやアプリケーションを構築するためのシステム開発です。webサイトやECサイト、SNS、webアプリやスマートフォンアプリの開発はすべてweb系に該当します。社内向けのシステムを開発するというよりは、顧客やユーザー向けのシステム開発がメインです。


web上のシステムやアプリケーションは、ただ画像やテキストが表示されればいいというものではありません。さまざまなサービスのなかから、自社サービスを選んでもらうには、ユーザーにとって有益で、見た目にもインパクトを残す必要があります。


ユーザーにとって有益でないものは、使い続けてもらえないだけでなく、検索もされにくくなります。また、ファーストインパクトでユーザーの興味を引き付けられないと、ほかの多くのwebサービスのなかで埋没してしまうでしょう。


スムーズに閲覧できないwebサイトやアプリはユーザーにストレスを与えるため、快適な閲覧環境を構築するのもweb系システム開発者の大きな役割です。画像やテキストを正しく表示させる力はもちろん、ユーザーを引き付けられるシステムを構築できるセンスも求められます。



3.オープン系とは


不特定多数の外部ユーザーのためのシステムを開発するweb系に対して、オープン系のシステム開発者は、業務効率化に資するシステムを構築するのが主な役割です。特定の環境下でしか開発できなかった汎用系と比べると、さまざまな環境でシステムを開発できることから、開放的なイメージの「オープン系」と呼ばれるようになりました。


オープン系のシステム開発者は主に、社内の顧客管理システムやスケジュール管理システム、勤怠管理システム、経理・会計システムなどを構築します。企業の業務形態や業界特有の事情に応じて、独自のシステムを開発する点が大きな特徴でしょう。不特定多数が使いやすいシステムを開発するweb系との大きな違いとも言えます。web系開発と比較すると、オープン系のシステム開発者には、より専門性や独自性の高いシステムを構築する能力が求められます。


また、企業の課題を解決できるシステムを開発することが仕事であるため、顧客のニーズを正しく引き出し提案できる能力も必要でしょう。


顧客管理システムや勤怠管理システムには大幅な業務効率化が期待できるため、大企業はもちろん数多くの中小企業も活用しはじめています。そのため、オープン系システム開発者の需要も今後、ますます高まると見て間違いないでしょう。



4.汎用系とは


いわゆるコンピューターを使ってシステムを開発するのが「汎用系」と呼ばれるシステム開発です。汎用機は、企業の基幹業務システムを構築するときに用いられる「メインフレーム」と呼ばれる大型コンピューターのことで、パソコンのような小型コンピューターが今ほど高機能でなかった頃にはシステム開発に欠かせないものでした。


「汎用」という言葉には「広くいろいろな方面に用いる」という意味があるため、「パソコンも汎用機では?」と思う方もいるでしょう。汎用機が登場する以前、企業で使用するコンピューターは、商用計算や科学技術計算などそれぞれに役割があり、役割以外のことには使用できませんでした。


一方で、汎用機は計算やシステム構築など、さまざまな用途に活用できる特徴があります。そのため、汎用機と呼ばれるようになり、汎用機を使ってのシステム開発が汎用系と呼ばれるようになりました。


現在では、システム開発の主流はパソコンの使用に移っています。しかし、いまだに大型コンピューターを用いての汎用系システム開発も少なくありません。たとえば、金融機関や保険会社などの大量の顧客データを扱うデータベースや、大企業の基幹システムの多くは、汎用系でシステム開発が行われています。その一方で、汎用系のシステム開発で使われる言語「COBOL」を使える人が年々少なくなってきているのも事実です。



5.制御系とは


制御系とは、機械の動きを制御するためのシステム開発です。

主に、スマートフォンや自動車、ロボット、家電などの制御システムを開発します。


企業のシステム開発では、制御系のシステム開発が必要な場面はあまり多くありません。しかし、制御系のシステム開発はより日常生活に密着したもので、私たちの生活に大きな恩恵をもたらしてくれています。


たとえば、電気炊飯器はボタン一つ押すだけでお米が炊き上がり、タイマーをセットすれば炊き上がり時間を自由に設定可能。これらを叶えるのは制御系システムです。また、洗濯機の注水中に水が溢れてしまわずに自動的に止まることも、カーナビが渋滞情報を知らせてくれるのも制御系システムなしには実現できません。もっと言えば、自動車が走るのも止まるのも、スマートフォンが意図した通りに動作するのも、すべて制御系システムのおかげと言っても過言ではありません。


従来、インターネットに繋がっていなかったさまざまなものがインターネットでつながるIoT時代となり、その傾向は進んでいくと考えられています。これまで、制御系のシステム開発を必要としなかったような業種でも、リリースする製品やサービスによっては、制御系システム開発が求められる場面も増えてくるでしょう。



6.組み込み系とは


制御系のシステム開発とよく似たシステム開発の種類に、組み込み系システム開発があります。ITエンジニアの採用募集要項には、両者を区別せずに(制御系、組み込み系)としているものも珍しくありません。


組み込み系システム開発は、制御系システム開発と同様に、家電や自動車などを動かすシステムを開発するものです。よく似た両者ですが厳密には異なります。どこがどう違うのか、炊飯器を例にとって見てみましょう。


炊飯器の「炊飯」ボタンを押せば、お米と水の分量に合わせて最適な状態で炊き上がります。これが実現可能なのは炊飯器内部のコンピューターによって炊飯器の動きが制御されているからです。お米と水の分量を検知し、その情報にもとづいて炊飯器が適切に動作するように制御されたシステムを開発するのが、制御系です。


一方で、制御系で開発されたシステムをハードウェアで動かせる仕組みを構築するのが、組み込み系のシステム開発です。スマートフォンとアプリの関係で考えるとわかりやすいと思います。


iOSやAndroidといったスマートフォンのOSを開発するのが、組み込み系システム開発の担当領域です。各OS用に開発されたスマートフォンアプリの、それぞれのシステムを開発するのが制御系システム開発の領域となります。



7.モバイル系とは


モバイル系システム開発は文字通り、スマートフォンや携帯電話といったモバイル端末で表示されるサイトや利用できるアプリなどのシステム開発のことです。


スマートフォンが普及する以前は、携帯電話用のwebサイトをブラウザ用サイトとは別に作る必要がありました。当時は、モバイル系システム開発は専門領域で、携帯電話サイトだけを専門的に制作する開発会社も数多くあり、モバイル系のシステムエンジニア需要も高かったのです。


しかし、スマートフォンの普及率が7割近くとなった今では、PC用のサイトをレスポンシブデザインでモバイル表示させるのが主流となっています。その結果、携帯電話サイトを専門的に制作する会社は皆無となりました。


現在では、モバイル系システム開発のメイン業務は、携帯電話用サイトの構築からスマートフォンアプリの開発に移っています。また、スマートフォンアプリ以外にも、バーコードリーダーやポータブルデータターミナル、PDA端末などを活用した物流や工場の業務システム開発を得意とする会社も少なくありません。


このように、モバイル系のシステム開発とひと口に言っても、スマートフォンが一般的になる前と現在とでは業務内容や求められるスキルは大きく異なります。



8.webシステム開発とアプリ開発の違い


システム開発を考える方のなかには、webシステムを開発するべきか、スマートフォンアプリを開発するべきか迷う方も多いのではないでしょうか。webシステムとアプリは、それぞれ特徴やメリットが異なります


一番の違いはなんと言ってもインストール手順の有無でしょう。webシステムはweb上で利用できるため、インストールの必要はありません。一方でアプリは、app storeなどのプラットフォームであらかじめインストールしておく必要があります。利用するまでの最初のハードルは、アプリの方が高いと言えるでしょう。


また、通信速度にも違いがあります。webシステムの回線速度は、端末や使用環境に大きく左右され、表示する際は一からすべての情報を読み込まなければなりません。一方でアプリは、一度インストールすればメニューや文字情報など、一定の情報を端末内に保存できるため、webシステムと比べると通信速度は速い傾向にあります。


また、アプリには「プッシュ通知機能」や「配信機能」があり、能動的に情報を配信することが可能です。webシステムにはこれらの機能がありません。自社の課題やニーズを洗い出したうえで、開発するシステムを選定することが重要です。



まとめ


以上、システム開発の種類について解説してきましたが、いかがでしょうか。


ひと口にシステム開発と言ってもさまざまな種類があり、その種類ごとに特徴が異なることをご理解いただけたと思います。


転職先としてITエンジニアを希望される方は、どのような種類のエンジニアになり、どのようなシステム開発に加わりたいかを考える参考にしていただければと思います。


 

この記事を監修したキャリアアドバイザー:


八重樫 勇輝 

株式会社Reboot代表取締役


年齢:28

出身地:岩手県

趣味:漫画・映画鑑賞


経歴:

自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。

現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。

求職者の皆様への一言:

面談から求人のご案内、資料の作成、入社後のフォローまで手厚くサポート致します!










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