ここ数年で、IT業界のニュース・記事などで「ITベンダー」という用語の記載を見ることが多くなってきました。
IT業界に関わったことのない方にはあまり聞きなれないワードなので、正しい意味・定義をご存じない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、ITベンダーの意味や種類・特徴についてわかりやすくまとめてみました!ぜひご確認くださいね!
もくじ
ベンダーとは
ベンダーとは、販売会社や製品を提供する会社のことです。ベンダーは英語で「vendor」と書き、「売る」という意味を持つ「vend」からできた名詞です。元々は、売主や売り手という意味で使います。
「ベンダー」という言葉は、IT業界内では比較的早い時代から使われてきたため、今でもIT業界で定着している言葉と言えます。「ITベンダー」はシステムやソフトウェアなどのIT製品を販売する企業のことです。また開発も行う販売会社を「開発ベンダー」と呼びます。
IT業界におけるベンダー企業の種類
IT業界における「ベンダー」の意味は、一般的にIT製品をユーザに販売する企業のことを指します。しかしIT業界に関してはメーカーとベンダーの両方の役割を持つ会社が多いことが特徴です。
ここでは、IT業界におけるベンダー企業の特徴である、ハードウェアベンダー、ソフトウェアベンダー、システムベンダー、シングルベンダー、マルチベンダー、システムインテグレーターの6つについて解説します。
1. ハードウェアベンダー
IT業界におけるベンダー企業の特徴の1つ目は「ハードウェアベンダー」です。ハードウェアベンダーとは、文字通りハードウェアの販売を行う企業のことを指します。
ハードウェアとは、家電製品やPCなどの実際に手で触れることができるIT製品のことです。このハードウェアは一般消費者が購入するものだけでなく、サーバーなどの法人が購入する製品も含まれます。
2. ソフトウェアベンダー
IT業界におけるベンダー企業の特徴の2つ目は「ソフトウェアベンダー」です。ソフトウェアベンダーとは、ソフトウェアの販売を行う企業のことを指します。
ソフトウェアベンダーは動画編集ソフトや楽曲制作ソフトなどの特定の作業を行うためのソフトウェアを販売しています。前述したハードウェアベンダーとこのソフトウェアベンダーは扱う製品の違いによる分類と言えます。
3. システムベンダー
IT業界におけるベンダー企業の特徴の3つ目は「システムベンダー」です。システムベンダーとは、顧客が求めるシステムを販売する企業のことを指します。
パッケージ化したシステムを顧客が求めるオプションなどを付けて提供します。顧客の環境に合わせたシステムを一から開発するというよりも、既存のシステムを組み合わせて販売するという特徴があります。
4. シングルベンダー
IT業界におけるベンダー企業の特徴の4つ目は「シングルベンダー」です。ベンダーは扱う製品の製造元が単一か複数かでシングルベンダーとマルチベンダーの2つに分類することができます。
シングルベンダーは文字通り、特定の企業が製造した製品のみを取り扱っています。特定の企業が製造した製品であるので、互換性があり、不具合が生じにくいという特徴があります。
5. マルチベンダー
IT業界におけるベンダー企業の特徴の5つ目は「マルチベンダー」です。特定の企業が製造した製品だけを取り扱うベンダーがシングルベンダーに対して、複数の企業の製品を取り扱うのがマルチベンダーです。
複数の企業の製品を取り扱っているのでビジネス的に有利だと思われがちですが、複数のメーカーが製造した製品を組み合わせることによって接続などで不備が出る可能性が生じるという特徴があります。
6. システムインテグレーター
IT業界におけるベンダー企業の特徴の6つ目は「システムインテグレーター」です。システムインテグレーターとは、システムの企画、設計、開発、運用、保守までの業務を行う企業のことを指します。
IT業界では「SIer」とも呼ばれ、顧客の環境に合ったシステムを販売し、実際の運用までを支援します。他の特徴のITベンダーが製造された製品をユーザに販売するのに対して、システムインテグレーターは各顧客に対してサービスをカスタマイズするという違いがあります。
日本の代表的なITベンダー
日本国内のITベンダーは小規模なものも含めると約1万社以上あると言われています。その中で売り上げのシェアに関しては上位5社が約半数を占めており、過去10年間変化がありません。
それではどんなITベンダーが日本にはあるのでしょうか。ここでは、日本の代表的なITベンダーである富士通、トレンドマイクロ、マカフィー、日本IBM、NEC、大塚商会、野村総合研究所、NTTデータ、日立製作所の9つをご紹介します。
1. 富士通
日本の代表的なITベンダー企業の1つ目は富士通です。富士通は1935年に設立された歴史ある企業で、日本のITベンダーの売上シェア1位を誇ります。
理化学研究所と共同で開発したスーパーコンピューター「富岳」は世界のスパコン性能ランキングにおいて4部門で上位にランクインしたことがあります。PCやスマートフォン、タブレット端末などのハード製品や半導体などの電子部品を製造しています。
2. トレンドマイクロ
日本の代表的なITベンダー企業の2つ目はトレンドマイクロです。トレンドマイクロは1988年にカリフォルニアで設立され、主にコンピューターウイルス対策ソフトを販売しています。
国内におけるサーバ向けのウイルス対策製品の市場シェアの80%以上を占めています。個人向けのウイルス対策ソフトだけでなく、さまざまな企業や大学などにネットワークセキュリティーのソリューションを提供しています。
3. マカフィー
日本の代表的なITベンダー企業の3つ目はマカフィーです。マカフィーはアメリカ合衆国のカリフォルニア州に本社があるサイバーセキュリティーソフトを提供するソフトウェアベンダーです。1987年に設立されました。
PCやサーバー、ネットワーク向けのセキュリティ対策製品の開発や販売を行っています。携帯電話やタブレット端末向けの製品も開発しており、これらの市場において広く普及しています。
4. 日本IBM
日本の代表的なITベンダー企業の4つ目は日本IBMです。日本IBMは1937年に設立され、アメリカのIBMの100%孫会社にあたります。
戦後から1980年代まではコンピューターのソフトウェアやハードウェアを取り扱っていました。現在ではサービス分野の事業に力を入れており、システムインテグレーション分野の売り上げは全体の約6割を占めるようになりました。
5. NEC
日本の代表的なITベンダー企業の5つ目はNECです。NECは1899年に設立され、有線・無線通信機器やコンピューター、ITサービスを主な事業としてビジネスを行なっています。
通信設備に関しては国内で首位という存在であり、光通信や通信衛星などさまざまな設備を販売しています。現在はハードウェア単体の販売から人工知能や生態認証を軸としたビジネスモデルにシフトしています。
6. 大塚商会
日本の代表的なITベンダー企業の6つ目は大塚商会です。大塚商会は1961年に設立され、FAXやオフィスコンピューターなどのOA機器商社として成長しました。
現在はコンピューターのシステムインテグレーション事業やコンピューター機器の保守などのサポート事業、そして事務機器用品やオフィス雑貨を中心としたカタログ販売事業の3事業を中心にビジネスを進めています。
7. 野村総合研究所
日本の代表的なITベンダー企業の7つ目は野村総合研究所です。野村総合研究所は1965年に設立され、システム運用やITソリューション、コンサルティングなどをトータルに提供しています。
流通業や金融業に関するシステム構築に強みがあり、日本郵政公社の郵政総合通信ネットワークの構築など、公共分野にも事業を拡大しています。また、ヘルスケア企業に対してソリューションとコンサルティングの両方からサポートしています。
8. NTTデータ
日本の代表的なITベンダー企業の8つ目はNTTデータです。NTTデータは1988年に設立され、システム構築事業やデータ通信を行っています。元国営企業である日本電信電話株式会社の子会社でNTTグループ会社の1つです。
主に金融や官公庁向けにシステム開発を行なっており、全国銀行データ通信システムや気象庁地域気象観測データ通信システムの構築も行なっています。
9. 日立製作所
日本の代表的なITベンダー企業の9つ目は日立製作所です。日立製作所は1910年に設立され、情報通信システムや電子装備システムなどを提供しています。
情報機器はPCサーバやUnixサーバ、IoTと連携可能なクラウドコンピューティングに関する事業を強化しています。また、ディスクアレイ装置や擬似ベクトル型スーパーコンピューター、産業用パソコンなども手掛けています。
まとめ
「ITベンダー」についてのまとめ、いかがでしたでしょうか?
今やITベンダーと呼べる企業は、日本に1万社以上存在しているともいわれており、今後の転職先の候補としても目が離せなくなりそうです。
より詳しい情報や就職先としてのおススメ企業が知りたい場合は、ぜひ弊社のキャリアアドバイザーに無料で相談してみてくださいね!
この記事を監修したキャリアアドバイザー:
八重樫 勇輝
株式会社Reboot代表取締役
年齢:28
出身地:岩手県
趣味:漫画・映画鑑賞
経歴:
自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。
現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。
求職者の皆様への一言:
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