企業の人材採用のオンライン化が進み、WEB面接やWEB説明会などオンラインで採用選考が行われる機会が増えてきました。WEB面接と対面での面接では、事前の準備や心構え、服装や話し方のコツなどが少し異なってきます。
そこで、この記事では、WEB面接の準備やマナーの基本から、面接官に好印象を与えるための面接テクニックや注意点までを分かりやすく紹介します。事前にWEB面接でのマナーをおさえ、当日は落ち着いて臨めるようにしましょう。
もくじ
WEB面接とは
WEB面接とは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスを利用して、オンラインのビデオ通話で行う面接を指します。オンラインとはいえ、電話面接ではないので、カメラ機能をオンに設定し、面接官と応募者のお互いの顔を映して面接を行うことが一般的です。そのため、スマートフォンやタブレットでも指定のオンライン会議ツールが使える状態であればWEB面接を受けられますが、画面が小さく相手の表情が分かりにくいといった懸念もあるため、出来ればパソコンを使用することをおすすめします。また、使うツールはZoomやSkype、Microsoft Teams、Google Meetといった広く普及しているオンライン会議ツールを使う企業が多いですが、中にはその企業独自のツールを指定される場合もあります。
WEB面接前に必要な準備4選
対面での面接の経験はあるものの、オンラインでの面接は初めてという人もいるでしょう。ここでは、WEB面接に向けての必要な準備4つを解説していきます。事前にしっかり準備をして、当日は万全の状態で臨めるようにしましょう。
準備1. パソコンやイヤホンなど機材を整える
WEB面接で絶対に欠かせないのが、パソコンやスマホ、タブレットなどの必要機材の準備です。画面が大きく、通信回線も安定しやすいパソコンがおすすめですが、なければスマホやタブレットなどでも問題ありません。スマホやタブレットを使用する際はスタンドなどを用意し、位置を固定できるようにしておきましょう。パソコンの場合は、カメラやマイク、スピーカー機能がついていないものもあるので、事前にデバイスの仕様や必要な周辺機器をチェックしておくようにしてください。また、使用するデバイス問わず、面接中の充電切れを防ぐためにも、事前に充電を満タンにすること、 不要な通知音は鳴らないよう設定しておくことなど事前に必要な準備をしておきましょう。
イヤホンを利用する場合は、できるだけ見た目に影響を与えない小ぶりなマイク付きイヤホンがおすすめです。大きなヘッドホンは顔の印象が変わったり、ずれて髪型が乱れたりする可能性があるため、避けるのが無難です。
準備2. インターネット環境・ツールを整える
インターネット環境を整えることも大切です。ビデオ通話が行えるように安定した通信環境を確保する必要があります。インターネット環境が悪いと、途中でフリーズしたり、回線が途切れてしまったりする可能性があるからです。利用するオンライン会議ツールによって推奨の回線速度が異なりますが、20~50Mbpほどあれば基本的には問題ないでしょう。自分が面接を行おうとしている場所での回線速度が、ビデオ通話に耐えられるレベルか事前に確認しておくと安心です。
また、WEB面接で使用されるZoom、Skype、Google Meet、Microsoft Teamsなどのツールはそれぞれ使い方が異なりますので、接続方法や参加方法もあわせて確認しておきましょう。
準備3. 適切な環境・背景を設定する
WEB画面にはまわりの背景も映り込むので、ベッドや衣類などだらしない印象を与えるような映り込みはなるべく避けられるように、面接を受ける場所をしっかり選ぶことが大切です。また、表情が明るく見える白壁をバックにするなど、できるだけシンプルな背景の場所を選ぶと良いでしょう。
また、バーチャル背景を設定することもできますが、人と背景の識別がうまくいかず自分の顔が隠れてしまって表情が分からなくなることがあるので、面接の場では避けたほうが良いでしょう。白壁や無地の壁がなく、映り込みが気になる場合は白い布で映り込む部分を隠すようにしても良いです。また、昼間であっても照明は必ずつけるようにし、逆光を防ぐために基本的にはカーテンを閉め、照明が暗く感じる場合はスタンドライトや鏡を利用して、自分の表情が明るく見えるように光加減を調整しましょう。
準備4. 資料を手元に準備する
対面での面接と同様、基本的には資料を持たずに面接官の目を見て受け答えするのが理想です。しかし、WEB面接では、手元で資料を確認しながら進めることもできます。想定質問に対する回答や、会社概要や求人票の情報など、必要な資料は事前に印刷して手元に置いておくと安心です。ただし、視線を常に落としながら話すことは、自信がないように見えてしまうので、基本的には手元の資料は見ないようにし、いざというときに少しだけ見る程度に留めましょう。
また、パソコンやスマホなどWEB面接で使用しているデバイス上に記載しているメモを見てしまうと、目線の動きが不自然になったり、自分の画面を共有するタイミングで面接官に誤って開示してしまったりする恐れあるので、避けてください。
WEB面接当日のマナー
直接対面しないWEBだからといって気を抜いてしまうと、思わぬところで面接官に悪い印象を与えてしまう場合もあります。そのため、マナーのある服装や言動を心掛けることが大切です。ここからは、面接当日のマナーについて解説します。
―適切な服装・髪型・メイクで臨む
対面の面接と同様に、身だしなみは清潔感を意識し、ビジネスの場にふさわしい恰好で臨みましょう。WEB面接中は画面に映るものだけに視線が集中するため、意外と身だしなみの乱れが目立つことがあります。対面での面接と同じように、服装・髪型・メイクなどはあらかじめ整えておきましょう。映らないからといって、上半身だけスーツで下半身は部屋着というような気を抜いた服装は避けてください。何かの拍子に、全身が映ってしまうことも十分考えられるからです。時間があれば、面接をする前にカメラに映したときに自分の姿がどう映るか、事前に確かめておくことをおすすめします。
―面接に関係ないツールやスマホの通知設定はオフにする
面接に関係ないツール、SNSアプリやスマホの通知設定はすべてオフにしておきましょう。通知音や着信音が鳴れば面接に集中できませんし、面接官に対して失礼にあたります。また、自分がWEB面接で使用するデバイスの通知オフ設定も忘れずに対応しましょう。オフに設定していないと、面接中に画面を共有しているときに、関係ない通知が画面に映り込んでしまう可能性も考えられるからです。面接で使用しないスマートフォンなどは、電源を切っておくか、iPhoneの場合はおやすみモードを活用するなど事前に設定を工夫しておくと良いでしょう。
―面接開始5~10分前にはログインして待機する
面接当日は、面接時間の10分前にはいつでも面接が始められるよう、パソコンやタブレットなどの前で待機しておきましょう。なお、指定のURLにアクセスするのは、面接時間の5~10分前がおすすめです。開始ギリギリに入室したり、遅刻したりするのはもちろんマナー違反ですが、あまりにも早い時間にログインすることも、面接官に「参加者が待っています」など、不要な催促通知が届くことがあるため避けましょう。また、あらかじめ会社側から「面接開始○分前までにログインをしてください」と指定される場合もありますので、その際には指示に従ってログインしてください。
―すべての面接官がログインしたタイミングで必ず挨拶を
応募先の企業によって面接に同席する人数は異なりますが、面接官が複数名だと事前に知らされている場合、まだ揃っていなくても、ひとりひとり入室したタイミングで「本日はよろしくお願いいたします」などと簡単に挨拶を行いましょう。そのあと、全員が揃うまでは静かに待機し、全員揃ったタイミングできちんと改めて挨拶をしてください。
担当の面接官はひとりだと事前に知らされている場合は、そのひとりが入室したタイミングできちんと挨拶をしましょう。挨拶は、「本日はお時間をいただきありがとうございます。○○と申します。本日はよろしくお願いいたします」などとハキハキと元気よく声を出し、頭を下げて挨拶してください。
なお、WEB面接の場合、基本的にお辞儀は座ったままで問題ありません。ただし、お辞儀をしながら話すと声が聞こえづらくなるので、挨拶の言葉を述べたあとにお辞儀をすることを意識すると良いでしょう。
―面接中の目線はモニターではなくカメラに向ける
会話をする上で相手の目を見て話すことは、ビジネスマナーのひとつです。WEB面接の場合、「相手の目を見て話す=カメラを見て話す」ことを指すので、基本はカメラを見て話すようにすることが大切です。モニター画面に映る面接官の目を見て話しても、面接官には視線が外れているように映ってしまいます。そのため、事前にパソコンスタンドなどを利用して、カメラが自分の目の高さに来るように調整しておくと、自然と目線が調整しやすくなるのでおすすめです。
―明るく笑顔で受け答えをする
対面での面接と比較すると、WEB上では声や表情が相手に伝わりにくいことも考えられます。いつもよりも少し明るいトーンと大きめの声を意識して、ハキハキと受け答えをしましょう。また、早口になってしまわないように注意して、できるだけゆっくりと話すことを心掛けてください。
―カンペの見すぎは避ける
前述したとおり、WEB面接ではメモを手元に置いておくことができます。しかし、カンペを読んでいることが面接官にばれてしまうと、面接であまり良くない印象につながりかねないので注意が必要です。また、机の上に資料やメモを置いてしまうと視線が下がり、自信がなさそうに見えてしまいます。そのため、カンペを用意する場合は、カメラの周辺や目線の先の壁に貼り付けるなど、目線を外すことなく話せる位置に置いておくと良いでしょう。
ただし、カンペに頼りすぎると、回答が棒読みになったり、会話の流れがずれてしまったりする恐れがあります。カンペはあくまでも面接をスムーズに進めるためのサポート用として、重要なポイントだけを箇条書きにしておくなど、参考程度にとどめるようにしましょう。なお、面接で資料の読み上げや資料の持ち込みが許可されている場合は、この限りではありませんので、臨機応変に対応してください。
―面接後、指示を待ってからログアウトする
WEB面接が終了したら、すぐに退出するのではなく、面接官の指示を待ちましょう。基本的には面接終了後、面接官が退室してから自分もログアウトをするのがマナーです。面接官から特に指示がない場合は、「本日はありがとうございました。それでは失礼いたします」と面接のお礼を伝えて頭を下げ、面接官が退室するのを待ちましょう。「どうぞご退室ください」などと先にログアウトを促されたら、挨拶をしてから退室するようにしてください。
WEB面接での注意点3選
WEB面接では、対面での面接とは異なる注意点もいくつか存在します。下記の3つは特に注意したいポイントになるので、無意識にマナー違反をしてしまわないよう事前におさえておきましょう。
注意点1. WEB面接中のパソコン操作はNG
パソコンやタブレットが目の前にあれば、メモを取ったり情報を検索してみたりなど利用したくなる場面もあるかもしれません。しかし、面接中にパソコンやタブレット、スマートフォンの操作することは避けましょう。相手の話を聞くときは基本的に相手の目を見て話を聞くことがマナーとされているからです。メモを取りたい内容があったとしても、いきなりタイピング音が画面から聞こえてくるのは面接官に不快だと捉えられることがあります。そのため、メモを取る場合は「メモを取ってもよろしいでしょうか」とひとこと断りを入れてから、用意しておいたメモ帳などに手書きでメモをするのが無難です。
注意点2. マスクの着用は避ける
WEB面接を受ける際はマスクを着用せずに臨みましょう。マスクをすると面接官に自分の表情が伝わらず、自分が発している言葉も相手に伝わりにくくなってしまいます。自宅以外で面接を受ける場合も同様に、個室を利用するなどマスクが外せる環境を整えておきましょう。
注意点3. 無断で録画をしてはいけない
WEB面接の場を録画することは基本的に許可されていません。そのため、無断で録画をすることは避けましょう。面接内容を後日振り返るためにも、どうしても録画をしたい場合には、面接当日にいきなり聞くのではなく、面接前に必ず企業側に許可を取るようにしてください。許可をもらえた場合は、録画データ管理には細心の注意を払うようにしましょう。万が一、流失してしまうと法的責任が問われる可能性があります。使用後は早めにデータを削除するなどリスクを避けることが重要です。一方許可されなかった場合は、こっそり隠し撮りをしようなどとは考えずに潔く諦めましょう。
まとめ
近年、対面での面接ではなくWEB面接で採用選考が行われる機会が増えてきました。WEB面接だとしても、気を抜かずしっかりと事前準備をすることが大切です。当日は滞りなく面接が進められるように、WEB面接における基本的な流れやマナーを理解してスムーズに面接が進められるようにしましょう。また、面接官にマイナスな印象を与えないためにも、今回紹介した注意点を把握し、知らず知らずのうちにマナー違反をしないよう気をつけてください。
オンラインという気軽さに油断してしまうことがないように、事前準備をしっかりして、面接当日は対面での面接と変わらない姿勢で臨めるようにしましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー:
八重樫 勇輝
株式会社ReBoot代表取締役
年齢:29
出身地:岩手県
趣味:漫画・映画鑑賞
経歴:
自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。
現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。
求職者の皆様への一言:
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