採用選考の過程では、ほとんどの場合に面接が実施されます。しかし、面接に苦手意識を持っており、「自信を持って面接の場で自分をアピールできない」という悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。しかし、面接に向けての対策をしっかりと行うことで多少なりとも苦手意識を克服することができます。
この記事では、面接を苦手と感じる原因を踏まえて、面接に向けての対策について解説します。面接が苦手だと思う人は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
6割以上が面接に苦手意識を持っている!
実は面接を苦手だと感じている人は少なくありません。2021年卒の学生を対象に「就活会議」とHR総研が共同で実施した調査によれば、就職活動に不安を感じる理由として最も多かったのが「面接が苦手だから」というものでした。6割以上の学生が面接が苦手と感じており、面接に苦手意識を抱くのは珍しいことではないと分かります。
出典:「HR総研「HR総研×就活会議:2021年卒学生の就職意識調査結果報告【2】」【図表1-3】
あくまで上記の調査は新卒採用選考を控える学生への意識調査結果であり、面接の回数を重ねて面接慣れしてくれば苦手意識が無くなる人もいるかもしれません。しかし、初めて就職活動をする学生の6割以上が面接に苦手意識を持っているということは、もともと苦手だと思っている人が半数以上いるということです。つまり、自分だけが苦手意識を持っているわけではないのです。また、元から得意な人のほうが少数派のため、対策次第で差をつけることもできるでしょう。
面接が苦手な人の特徴
自分がなぜ面接が苦手なのか把握することで、適切な克服方法を考えることができます。以下に面接が苦手な人にありがちな特徴を4つ紹介しますので、自分に該当するものがないかチェックしてみましょう。
―特徴1. 緊張しやすい(あがり症)
面接は、普段とは異なる場所や雰囲気で行われます。人前で話したり初対面の人と言葉を交わしたりするときに緊張しやすい人は、面接でも緊張してしまうことが多いでしょう。特に採用面接では、「うまく受け答えできなければ採用してもらえない」といった不安から、緊張してしまう人も少なくありません。
―特徴2. 口下手
普段から会話が得意でないと感じていて、口下手だと自覚している人は、面接にも苦手意識を持ちやすい傾向があります。面接では予想していなかった質問に、その場で考えて答えなくてはならないケースが少なからずあるものです。その際にうまく言葉が出てこなかったり、的確な伝え方が分からなかったりすると、焦ってしまうこともあるでしょう。相手に何かを伝えたいときに、うまく伝えられないと感じている人は面接も苦手だと思い込みやすいです。
―特徴3. 恥ずかしがり屋(内向的)
面接は、自分の強みや入社後どのように働きたいかをアピールする場です。しかし、恥ずかしくて自分の良い面をアピールすることが苦手だったり、自信のなさから声が小さくなったりしてしまうタイプの人は、思うように自分の魅力を伝えられないこともあるでしょう。
―特徴4. 目上の人と話すことに慣れていない
目上の人と話すことに慣れていない人も、面接が苦手と感じる傾向があります。採用選考における面接官は、自分よりも年上の人や、その会社で責任のある立場の人が務めるケースがほとんどです。相手が目上の人だと萎縮してしまったり、敬語の使い方などに気を配るあまり、自分をうまくアピールできなかったりする可能性が考えられるでしょう。
面接への苦手意識を克服する方法
面接が苦手と感じている人の中には、そもそも自分の性格が面接に向いていないと諦めてしまっている人もいるのではないでしょうか。面接の苦手意識は工夫次第で緩和することができます。具体的に苦手意識を克服する方法は、「事前に対策できること」と「面接当日に対策できること」が考えられますので、その2つに分けて紹介していきます。
―事前に対策できること
面接で良いパフォーマンスを出すためには、事前準備が大切です。準備を行っておくことで、当日は焦らずいつも通りの自分の状態で面接に臨むことができます。では、具体的にどのような準備をしておくと良いか見ていきましょう。
よくある質問への答えを準備しておく
面接時に、よく聞かれる質問があります。次のような定番の質問については、答えを事前に準備し、実際に何度も声に出して練習をした上で面接に臨むようにすると良いでしょう。
面接でよくある質問の例
・自己紹介をお願いします
・職務経歴と経験した仕事内容を教えてください
・志望動機を教えてください
・前職の退職理由は何ですか?
・あなたの長所と短所を教えてください
・当社があなたを採用するメリットは何ですか?
・最近、関心を持ったニュースについて教えてください
・どんなときに仕事にやりがいを感じますか?
・仕事をする上で心掛けていることを教えてください
・入社後にやってみたいことはありますか?
・何か聞いておきたいことはありますか?
目上の人と話す練習をしておく
普段から目上の人と話す機会があまりない人は、意識的に目上の人と会話する機会を作ることで、面接に向けた練習ができます。例えば、身近な年上の人に模擬面接のお願いをしてみるのも良いでしょう。目上の人と話すことへの抵抗感を減らす練習になります。また、模擬面接後はできればフィードバックをもらい、 受け答えに不自然な点はなかったかなど改善点を洗い出せるようにすると良いでしょう。練習を重ねることで会話に慣れてから本番に臨むことができます。
また、敬語の使い方については、面接でよく使う言い回しを覚えておくとスムーズに受け答えができるようになります。特に、尊敬語と謙譲語は間違えやすいので、しっかりと区別して覚えておくと良いでしょう。
―面接当日に対策できること
面接の当日には過度に緊張しないよう、リラックスする方法を実践できるようにしておきましょう。せっかく念入りに準備してきたのに、当日に緊張して「考えてきた答えを忘れてしまった」などということを防ぐためにも、当日の対策法をおさえておくことは大切です。また、自分自身が話しやすい状況を意識的に作れると良いでしょう。次に挙げる方法を、面接直前と面接中に実践することをおすすめします。
面接前には深呼吸をする
面接会場に着いたらまずは意識的に深呼吸をしましょう。呼吸が浅くなると体に力が入りやすくなり、緊張しやすくなります。意識して深く息を吸いこむことで、自然と呼吸が深くなり、リラックス効果が期待できます。そのため、深呼吸をする際は肩の力を抜いて鼻から深く息を吸い、ゆっくりと吐くようにしましょう。面接前に落ち着いてリラックスする状況を作っておくことで、落ち着いて面接に臨むことができます。
ゆっくり、はっきり話す
緊張をすると早口になってしまう人が多いです。そのため、意識的にいつもより少しゆっくり話すようにすることがおすすめです。早口で話してしまうと、面接官は発言を聞き取りにくくなります。面接官にとって聞き取りやすい、スピードやトーンで話すことが大切です。特に話し始めの第一声をはっきりと発することで、第一印象が良くなる効果も期待できるでしょう。
目線は相手の眉間に合わせる
面接中は面接官の目を見て話すのが原則です。しかし、人の目を見て話すことが苦手な人もいるでしょう。その場合は、面接中の目線を面接官の眉間に合わせるように意識してみると良いです。眉間に目線を合わせることで、面接官は自分の目をしっかりと見て話してくれているという印象を受けます。目線がしっかり面接官の目線に合っていないと、自信がなさそうに見えるので、特に目線の合わせ方は意識することをおすすめします。
結論から話すことを意識する
面接官に質問をされたら、まずは先に質問に対する結論部分を述べることを意識しましょう。面接が苦手な人は、答えているうちに自分で何が言いたいのか分からなくなってしまうことがあるからです。聞かれたことに対してまずは結論を述べ、続けて「なぜなら△△だからです」と理由を添えます。そのあと、具体例があれば「例えば以前、□□ということがありました」などと話を広げるのもひとつの手ですが、あまり話が長くなりすぎるようなら避けましょう。
まとめ
面接に対して苦手意識を持つのは、決して珍しいことではありません。面接が苦手なのであれば、なぜ苦手だと感じるのか原因を分析し、克服するための対策を講じておくことが大切です。面接への苦手意識は工夫次第で緩和することができるので、事前にしっかりと入念な準備をしましょう。そして、当日はリラックスできるように深呼吸をしたり、ゆっくり話すことを心掛けたりして、自分の中でベストなパフォーマンスが出せるように備えておくことがおすすめです。面接を苦手だと感じている人は、自分以外にもたくさんいます。そのことを思い出し、当日は安心して面接に臨むようにしてください。
この記事を監修したキャリアアドバイザー:
八重樫 勇輝
株式会社Reboot代表取締役
年齢:29
出身地:岩手県
趣味:漫画・映画鑑賞
経歴:
自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。
現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。
求職者の皆様への一言:
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