【製造業あれこれ】品質管理ってどんな仕事?

更新日:11月14日



高品質の製品を作り続けてきた日本においても、人員不足などの影響を受け、品質低下が不安視されています。高品質の製品を安定して生産し続けるためには、徹底した品質管理が必要不可欠です。


前回の記事では、品質管理と品質保証との違いについて解説しました。今回は、品質管理とは何かといった基本から立ち返り、品質管理の手法、具体的な業務内容についてご紹介します。

 

もくじ

1.「品質管理」とは

2.品質管理の業務内容

3.品質管理の手法

まとめ

 

1.「品質管理」とは


品質管理とは、商品やサービスを提供するにあたり、一定の品質を備えていることを検査・検証し、保証することを指します。加えて品質の高い製品やサービスを、どれだけ効率的にコストをかけず製造・構築するかといった視点も必要です。あらゆる製造現場で実施される工程ですが、特に、品質に問題があると大きな問題に発展しかねない食品・自動車・医療などにおいては必須とされています。


従来、品質管理を行う際には、人の目による検査が一般的でした。装置による検査も可能ではあるものの、装置で検査できる範囲が限られていたためです。しかし近年では、品質管理のデジタル化が進んだことで、人の目によらない高効率・高精度の検査が現実味を帯びてきています。


2.品質管理の業務内容


ここでは、品質管理の具体的な業務内容について解説します。


・工程管理

まずは、商品やサービスを作る工程そのものを管理することが挙げられます。ものづくりに関していえば、生産工程に必要な労働力や原料、設備などを管理し、常に効率よく生産できる体制の維持を目指します。工程管理を通じて、品質の管理に加え、無駄なコストの削減や設備の維持などにつなげていきます。


具体的な方法としては、作業手順を標準化します。多くの人が生産に関わるほど、品質がばらつく可能性が高まります。これを未然に防ぐために、作業内容をマニュアル化し、人が入れ替わっても品質を維持できるようにします。もちろん、マニュアルを作成して終わりではなく、しっかりと実行されるように品質教育や作業訓練も同時に行います。


・品質検証

品質検証も重要な業務です。具体的には、仕入れた原材料や部品などの製品を検査したり、管理したりすることを指します。いくら生産工程がしっかりとしていても、生産のもととなる原料や部品に不備があれば、それを使用して生産した製品の不備になりかねません。


この品質検証の工程を効率化するにあたって、「外観検査システム」を活用する場合もあります。このシステムで製品のキズや変色を検知したり、物体の形状不良や変形を検知することにより、従来人間が行っていた目視チェックなどの作業負担を減らすことができます。


・品質改善

品質改善とは、製造工程において生じるさまざまな問題点を洗い出し、その解決によって品質を改善し、未然に納品トラブルなどを防ぐことです。製造において、原則として製品の品質基準が定められています。大量に生産していると、時に基準に満たない不適合製品が生産されることもあります。これを改善対象として原因を突き止め、不適合製品の再発防止や未然防止につなげます。


流れとしては、まず不適合製品が生産につながった問題点の洗い出しを行います。そもそも原料に問題点があったのか、生産工程の問題だとしたらどの部分に問題があるのかなど、解決のアプローチはケースにより異なります。この問題点を洗い出すためには、やはり現状の把握が重要です。現場へのヒアリングを行いながら、仮説検証を繰り返します。問題点を特定できれば、あとはその原因を分析し、その対応策を立案します。一時的なものではなく、恒久的な対策を考えることがポイントです。



3.品質管理の手法


手法1:PDCAサイクル

「PDCAサイクル」とは、計画(Plan)・実施(Do)・評価(Check)・改善(Action)という4つのプロセスの頭文字をとった品質管理手法です。PDCAサイクルでは、それぞれの段階で以下の内容を実行します。


計画(Plan):これまでの実績や将来の予測を踏まえて、業務計画を構築する

実施(Do):構築された業務計画に基づいて業務を実施する

評価(Check):計画通りに業務が行われているか確認する

改善(Action):計画通りでなかった箇所について、適切な改善を行う

PDCAサイクルでは、これら4つのサイクルを繰り返し行い、継続的に品質の改善を進めていくことを目的としています。


手法2:QC7つ道具

QC7つ道具」とは、統計的な観点でデータを分析し、品質管理(Quality Control)を行う手法の総称です。文字通り7つの道具(分析ツール)を使用して品質管理を行うことから、俗に「QC7つ道具」と呼ばれています。以下、QC7つ道具で利用される分析ツールをご紹介します。


1. グラフ(Graph)

「グラフ」とは、データを視覚化する際に用いられる方法のことで、主に棒グラフや円グラフ、帯グラフなどがあります。数値の大小や比率、推移などをわかりやすく示せるため、全体の状況を俯瞰するうえで便利です。


2. チェックシート(Check Sheet)

「チェックシート」とは、あらかじめ決めておいた項目ごとに点検・記録する図表形式のシートのことです。チェックシートを適正に運用し、正しいデータを収集するためには、チェックと測定を正確に実行する必要があります。


3. パレート図(Pareto Chart)

「パレート図」とは「不良項目」「機械別不良数」といったデータ項目を降順に並べた棒グラフと、各項目の累積比率を示す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフです。パレート図を見ることにより、優先して実行すべき改善は何かを分析・把握できます。


4. ヒストグラム(Histogram)

「ヒストグラム」とは、任意の区分ごとにデータ数を集計するタイプの棒グラフです。ヒストグラフを用いることによって、データがどのように分布しているかを可視化できます。


5. 特性要因図(Cause and Effect Diagram)

「特性要因図」とは、問題となっている特性と、その特性に影響していると考えられる要因の関係性をまとめた図のことです。特性要因図は魚の骨のような形に見えることから、別名「魚の骨図(fishbone diagram)」と呼ばれることもあります。


6. 散布図(Scattered Diagram)

「散布図」とは、関連する2種類のデータを点の集合で示した図のことです。散布図を見ることによって、2種類のデータがどのように関係しているかを視覚的に把握できます。


7. 管理図(Quality Control Chart)

「管理図」とは、時系列で工程ごとのデータを表示した折れ線グラフです。管理図を見ることによって、各工程に異常がないかをチェックできます。


手法3:IE(インダストリアルエンジニアリング)

「IE」は、トヨタの現場や工場で採用されていることでも有名な、品質管理の手法です。IEでは工程・作業内容の科学的な分析を通じて、作業の無駄や属人化を排除します。


これによって、誰でも同じ時間で同等の作業ができるよう平準化を図り、生産性の向上を目指せます。そのほかIEの特徴として、一部の工程・作業内容に限らず、経営の手法全般を最適化できる点が挙げられます。


IEの分析手法は数多く存在しており、煩雑で分かりにくいといわれることが多いです。しかし、それらは主に方法の最適化を続ける「方法研究」と、作業時間を定量的に計測・分析する「作業測定」だけに分類できます。基本的には、この2種類のいずれか、もしくは両者を適切に組み合わせて分析が行われます。



まとめ


品質管理は、自社製品が品質基準を満たしているか確かめる、重要な業務です。具体的な業務内容は多岐にわたるため、人手や手間が必要ですが、少子高齢化が加速する現状では人材確保に窮することも少なくありません。


そんななか、近年ではAIを活用した最先端の外観検査システムも登場しており、今後の活躍に期待が寄せられています。


一方で、少子化が進む国内において、まだまだ人手を必要としている企業も多いです。

IT・自動車をはじめとする様々な業界で必要になる品質管理のお仕事、ご興味がありましたら、ぜひご検討くださいね!

 

この記事を監修したキャリアアドバイザー:


八重樫 勇輝 

株式会社Reboot代表取締役


年齢:28

出身地:岩手県

趣味:漫画・映画鑑賞


経歴:

自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。

現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。

求職者の皆様への一言:

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