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【業界を知ろう】福祉・医療業界の特徴は?求められる能力は?

福祉・介護業界には様々な職種がありますが、具体的にどのようなお仕事があるのかご存じでしょうか。どんな職場でどんな業務を担う仕事があるのか、また資格が必要なのかなど、整理して解説します。

特に人気の高い職種に絞ってご紹介しますので、福祉・介護業界に興味のある人は、ぜひ参考にして転職先の選択肢に加えてみてくださいね。


 

もくじ


1.福祉や介護関係の職種はどのようなものがある?


福祉や介護に携わるお仕事はたくさんあります。国家資格が必要な職種から、資格や経験がなくてもエントリーできるお仕事まで、職種の多様さも特徴です。

お仕事の種類

職種

介護系の仕事

ホームヘルパー・介護福祉士・ケアワーカー・ケアスタッフ

保育系の仕事

保育士・保育教諭等

相談援助系の仕事

社会福祉士・精神保健福祉士・ケアマネジャー・生活指導員等

看護・リハビリ系の仕事

看護師・看護助手・保健師・理学療法士等

栄養管理・調理関係の仕事

栄養士・調理員等

その他

医療事務・受付・クラーク等

これらのお仕事の中でも、特に求人が多い職種は以下の通りです。


・ヘルパー

・介護福祉士

・保育士

・看護助手

・准看護士

・看護師

・医療事務や受付、クラーク

・社会福祉士


国家資格が必要で、働き始めるまでのハードルが高いのは、介護福祉士と看護師のみ。そのほかの職種は、通信講座で資格が取得できたり、未経験 で転向したりする人も多く、比較的挑戦しやすい職種といえるでしょう。それぞれの職種の内容や転職のヒントなどについて詳しく解説していきます。


2.ヘルパーの仕事内容


ヘルパーは、訪問介護員とも呼ばれている専門職です。高齢者や障がい者など、介護を必要とする人が安心して生活できるように、身の回りや日常生活のサポートをおこないます。また、利用者の家族の負担を軽減する役割も担っています。ヘルパーとして働いている人のうち、40歳以上の人の割合が60%以上を占めており、子育てを終えた世代の人たちにとって、働きやすいお仕事といえそうです。


[仕事内容]

仕事内容は、食事や入浴、排せつ、体位交換、通院の介助や見守りなどをおこなう「身体介護サービス」と、調理、洗濯、薬の受け取りや買い物などをおこなう「生活援助サービス」の2つに大別されます。


[主な職場]

特別養護老人ホームやデイサービスなどの高齢者施設、あるいは訪問介護の場合は、訪問介護事業所などに所属して個人宅に伺うのが一般的です。運営元は市町村や社会福祉事業団をはじめ、NPOや民間企業など様々です。


[必要な資格]

直接身体に触れる介護がなければ資格がなくても働くことができますが、「介護職員初任者研修」や「実務者研修」を修了すると、仕事を探しやすくなり、資格手当てが支給されるケースもあります。


「介護職員初任者研修」 は初心者向けの資格で、130時間の基礎知識・倫理・実務を学び、試験に合格すると取得することができます。「実務者研修」は介護職員初任者研修より幅広い知識や技能が身につく民間資格です。基本の受講時間数は450時間で、これを修了することにより、たん の吸引など医療的ケアもおこなうことができるようになります。


[転職方法]

資格なしからスタートすることができます。学歴や年齢より、介護の仕事に対する意欲が問われることが多く、誰でも挑戦しやすいお仕事です。


3.介護福祉士の仕事内容


介護福祉士は、介護が必要な人に介護サービスを提供するお仕事です。「社会福祉士および介護福祉士法」に基づく国家資格であり、介護業務のほかにも、介護方法や生活動作に関する説明、介護に関する様々な相談にも応じます。よく似た名称の資格に「社会福祉士」がありますが、社会福祉士は連絡や相談・調整が主な業務であり、資格の難易度だけでなく仕事内容が大きく異なります。


[仕事内容]

ヘルパーと同様の仕事内容「身体介護サービス」と「生活援助サービス」に加え、介護に関する知識や技術を活かした「利用者や家族への助言」や、利用者が孤立することがないよう「社会活動の支援」もおこないます。


[主な職場]

訪問介護事業所のほか、介護老人福祉施設、特別養護老人ホーム、グループホーム、デイサービスなど。ほかにも障がい児のためのデイサービスや医療機関にも、活躍の場は広がっています。


[必要な資格]

介護福祉士の国家資格は、国から指定された養成施設でカリキュラムを修了してから試験に挑戦する方法や、3年以上の実務経験を積んだのちに「実務者研修」を受け、試験に挑戦する方法もあります。


[転職方法]

ヘルパーで実務経験を積んでから介護福祉士にステップアップする道もあります。介護福祉士の資格を取得することで給与がアップするのはもちろん、介護福祉用品のメーカーや医療機関など、介護の現場以外のフィールドにも活躍の場が広がります。


4.保育士の仕事内容


保育士は、保育施設で子ども(0歳から就学前6歳)のお世話をするお仕事です。「子どもの保育」と「保護者に対して保育に関する指導」をおこなうことができる国家資格です。

共働き家庭の増加により待機児童問題が深刻化している近年は、それに比例して保育士不足という問題も起こっており、保育士のニーズはとても高い状況にあります。


[仕事内容]

保護者に代わって、食事や排せつの補助、一緒に遊ぶなどのお世話をしながら、基本的な生活習慣や社会性が育つようサポートします。そのための保育計画や発達記録など、書類作成も大切な仕事の一部です。また、行事の企画・運営、教材の準備・作成といった仕事もあります。さらには、共働きが多い保護者の負担を軽減する「保護者支援」という役割も、保育士には求められています。


[主な職場]

主な職場は保育園や認定こども園ですが、ほかにも、児童養護施設や児童館などの児童福祉施設、病児保育園などの医療施設、商業施設での託児スペースなどでも働くことができます。昨今は、保育士の資格を活かして、ベビーシッターとして働く人も増えています。


[必要な資格]

保育士として働くためには、国家資格である保育士の資格が必要です。資格取得のためには、2つの方法があります。ひとつは、大学や専門学校など保育士養成校で2~4年間必要な課程を履修し、卒業と同時に取得する方法。もうひとつは、勉強して保育士試験に合格する方法です。保育士試験は年2回実施され、合格科目は3年間有効であるため、期限内であれば不合格科目のみ再度受験することができます。

また、近しい職業である幼稚園教諭になるには、幼稚園教諭免許が必要です。保育園は厚生労働省が管轄する福祉施設、幼稚園は文部科学省が管轄する学校で、預かる子どもの年齢や勤務時間も異なる場合がほとんどです。


[転職方法]

保育士の資格取得後、就職することができます。資格はないけれど保育施設で働きたい!という場合は、「保育補助」から始めることも可能です。受験資格に該当する施設で一定の条件を満たして勤務すれば、保育士試験を受験することができます。


5.看護助手の仕事内容


看護助手は、看護師のサポートや患者のケアをするお仕事です。看護補助者、ナースエイドとも呼ばれます。ただし、国家資格である看護師の資格は保有していないため、医療行為をすることはできません


[仕事内容]

主な仕事内容は、患者のケアと看護師のサポート。職場によって内容は異なりますが、食事の介護や入浴介助、清拭(せいしき)など患者の「身の回りのお世話」、ベッドメイキングや病室・診療室の清掃などの「環境整備」、検査室や手術室への「移送」などに加えて、備品の管理や医療器具の消毒など多岐にわたります。


[主な職場]

一般病院、療養型病院、診療所、介護施設など。看護師の助けとなり、患者にとっても身近な存在である看護助手を必要とする職場はたくさんあります。


[必要な資格]

特別な資格や専門知識は必要なく、未経験から挑戦することができます。スキルアップを目指すなら、「看護助手実務能力認定試験」(全国医療福祉教育協会が認定)への挑戦がおすすめです。即戦力となる知識や技能があることが証明できます。


[転職方法]

資格や経験がなくても働くことができ、「未経験可」の求人も多く見られます。


6.准看護師の仕事内容


准看護師は正看護師と同様に、患者の看護や診療の補助など医療行為をすることができます。ただし、自らの判断で業務を進めることができません。正看護師免許は厚生労働省発行の国家資格ですが、准看護師免許は都道府県知事による発行で、国家資格ではないからです。


[仕事内容]

医師の診察や指示に基づいた「診察補助」のほかにも、体調管理や検温・血圧測定、食事や排せつのサポート、点滴などの「医療行為」、さらにはベッドメイキングなど「身の回りのお世話」などの仕事も担います。また、患者とコミュニケーションをとり、心のケアに努めることも大事なお仕事です。


[主な職場]

病院やクリニックなど医療の現場だけでなく、訪問看護事業所や介護老人福祉施設、特別養護老人ホームなど介護の現場でも活躍できます。介護の世界では、准看護師が持つ看護の知識や技術が頼りにされる場面が多くあります。


[必要な資格]

都道府県知事免許である准看護師資格が必要です。資格取得までの期間が2年間と正看護師と比べて短く、働きながら資格取得を目指すことも可能です。


[転職方法]

准看護師の資格取得後、就職できます。総合病院より、クリニックや診療所などからの求人が比較的高い傾向にあります。


7.看護師の仕事内容


専門的な知識と技術に基づいて、患者の看護や診療の補助などをおこないます。准看護師との違いは、免許の発行元が異なること、そして自主的な判断で看護を提供できることにあります。少子高齢化社会に突入し、在宅ケアや訪問看護など柔軟な看護が一層必要となっています。それにともない、看護師の仕事のニーズが高まってきています。


[仕事内容]

病院やクリニックなど医療の現場だけでなく、訪問看護事業所や、介護老人福祉施設など介護の現場でも活躍できます。介護の世界では、看護師が持つ看護の知識や技術が頼りにされる場面が多くあります。


[主な職場]

病院やクリニックだけでなく、介護施設や保育所・学校、企業、個人宅(訪問看護)など、看護師が活躍できる場は昨今ますます広がっています。


[必要な資格]

看護系の大学や短大、専門学校などで必要な学課を修める、または看護師養成所を卒業して看護師資格を取得後、看護師国家試験に合格する必要があります。また、准看護師の資格を持っている人は、3年以上の実務経験に加えて、指定の大学や学校・養成所で2年以上修業した場合にも、国家試験の受験資格が認められます。


[転職方法]

看護師免許を取得後、働くことができます。病院やクリニックなどの医療施設に限らず、介護施設などで看護師が求められるケースは増加傾向にあります。

すでに看護師資格を取得している場合は、救急看護や緩和ケアなど特定の看護分野において卓越した看護実践能力があることを示す「認定看護師」や、がん看護や地域看護など特定の専門看護分野の知識と技術を深めた看護師であることを示す「専門看護師」などの認定を受けることで、転職の幅が広がります。


8.医療事務の仕事内容


医療事務とは、医療機関で働く事務職のこと。受付や会計業務が仕事内容と思われがちですが、そのほかにも病院やクリニック内での様々な仕事を担っています。直接医療行為には携わりませんが、患者と接する中でやりがいを感じることができるお仕事のひとつです。また、勤務形態が幅広いこともあり、とりわけ女性に人気が高いお仕事です。


[仕事内容]

医療事務のお仕事は大きく分けて3つあります。メインとなる「受付・会計業務」は、診察券の発行やカルテの作成、病院によっては患者情報の入力や医療費の計算・会計などをおこないます。

患者と医療スタッフの橋渡しとなる「クラーク業務」は、外来・病棟における受付業務や事務作業全般を担います。

3つの業務のうちもっとも専門知識が求められる「レセプト業務」は、レセプト(診療報酬明細書)を作成し、審査支払機関に対して診療費用の請求をおこなうお仕事です。


[主な職場]

クリニックや診療所など小規模な医療機関から、中・大規模な病院や救急病院などが主な職場となります。さらに、調剤薬局も医療事務の技能が求められる職場です。


[必要な資格]

基本的なパソコンスキルは必須ですが、特別な資格や経験がなくても就くことができます。ただ、難易度は高めですが「診療報酬請求事務能力認定試験」や「医療事務技能審査試験」などに合格しておくと、医療事務としての知識や技能レベルの証明になるため、採用確率や給料アップにつながることがあります。


[転職方法]

医療関係のお仕事の中でも、比較的未経験からでも挑戦しやすいお仕事です。正社員だけでなく、派遣スタッフやパート、アルバイトなど様々な雇用形態があるため、自分に合ったスタイルで働くことが可能です。


9.社会福祉士の仕事内容


ソーシャルワーカーとも呼ばれる社会福祉士は、お年寄りや障がい者、また日常生活を送ることに困難を感じている人たちの相談にのる、助言やサービスをおこなうなど、福祉や医療サービスとの橋渡しをするお仕事です。

資格がなくても同様のお仕事はできますが、国家資格である「社会福祉士」の資格を持っていると仕事に就きたい時に有利です。昨今は少子高齢化や児童虐待問題といった社会の背景もあり、社会福祉士の力を必要とする場面が増えている傾向にあります。


[仕事内容]

働く場所によって仕事内容は異なりますが、共通している主なお仕事は「相談支援業務」です。相談者はもちろん、その家族とも親身になってコミュニケーションをとり、助言や調整をおこないます。また、行政や医療機関と連携をとりながら各種手続きの手伝いをすることも業務のひとつです。


[主な職場]

社会福祉士が相談を受けて助言・指導する相手は子どもからお年寄りまで幅が広いため、勤務先も、特別養護老人ホームやグループホームなどの高齢者施設、障がい者施設などの福祉施設、児童相談所や母子保護施設、また病院や保健所といった医療機関など多岐にわたります。働く場所によって呼び方が異なり、高齢者施設や障がい者施設では「生活相談員」や「支援相談員」、児童相談所では「児童福祉 司」と呼ばれます。


[必要な資格]

必ずしも必要でありませんが、国家資格である「社会福祉士」は、福祉や医療に関する相談援助に必要な専門知識・スキルがあることを証明するものであり、保有しているのが望ましいでしょう。資格取得のためには国家試験の合格がマストですが、方法は学歴や実務経験によって異なります。


[転職方法]

社会福祉士として仕事を始めるには、資格取得後に社会福祉登録申請をおこなってから、仕事を探すことになります。昨今では、実務経験がなくても資格を保有しているだけでも、採用ニーズが高まってきています。


まとめ


人の助けになることが実感できる福祉・介護業界でのお仕事は、国家資格が必要なものから未経験から始められるものまで様々な種類があります。また、介護福祉士のように、実務経験を積みながらステップアップを目指せる職種があるのも魅力です。


少子高齢化が一層加速している昨今は、とりわけ介護に関する人材が常に不足している状態です。まずは、どんなお仕事があるのかチェックしてみるのもおすすめです。


あなたの希望やスキル、ライフスタイルに合ったお仕事を見つけてください!

 

この記事を監修したキャリアアドバイザー:


八重樫 勇輝 

株式会社Reboot代表取締役


年齢:28

出身地:岩手県

趣味:漫画・映画鑑賞


経歴:

自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。

現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。

求職者の皆様への一言:

面談から求人のご案内、資料の作成、入社後のフォローまで手厚くサポート致します!









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