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【転職ノウハウ】結婚って転職の前と後、どっちにすべき?



結婚前後に転職を検討している人の中には、転職をするなら結婚前と後どちらが良いのかと、転職のタイミングに悩む人もいるのではないでしょうか。「出産や育児に備えて働き方を変えたい」「新居からだと元の勤務先に通えない距離になる」など、結婚を機に転職が必要だと考える人は少なくありません。

この記事では、結婚前後に転職活動を行う際のメリット・デメリットや、適切な転職のタイミングの見極め方について解説します。なお、今回は一般的に結婚を機に仕事を変えることが多い女性向けの内容を中心に解説していきますが、性別に関係なく共通するポイントも多いので男性もぜひ参考にしてください。

 

もくじ

 

女性が結婚前後で転職を検討する理由とは?


先述した通り、一般的に結婚を機に仕事を変えるのは男性よりも女性のほうが多いです。その根拠となる統計情報と、女性が結婚前後で仕事を変える理由をここで見ていきましょう。


―女性は結婚を機に仕事を変えることが多い


女性が結婚を機に仕事を変えるのは、統計情報を見ても明らかです。

厚生労働省「第6回21世紀成年者縦断調査(平成 24 年成年者)の概況」に記載されている「結婚前後の就業状況の変化」によると、独身時代には仕事をしていても、結婚後に「仕事なし」と回答した割合は男性で0.5%、女性で18.9%と、女性の方が結婚を機に仕事を辞める傾向が見られます。また、就業形態別に見ても、男性が結婚の前後とも「正規の職員・従業員」である割合は94.6%なのに対し、女性では73.4%と、 女性の方が正規雇用から非正規雇用へと切り替える割合が多いことが分かります。では、なぜ女性は結婚前後で就業状況に変化が出るのでしょうか。以下でその理由を見ていきましょう。


―女性が結婚前後で仕事を変える3つの理由


女性が結婚を機に仕事を変えるよくある3つの理由を以下に紹介します。


理由1: 家事と仕事を両立するため

長期間の残業が続くような職場では、仕事と家庭の両立がしにくく、自分が求めるライフスタイルが実現できない可能性があります。働く女性の中には「パートナーより早く帰宅し、夕食の支度をしたいので基本的に18時までには帰れる職場を選びたい」など、プライベートを重視したい人もいるでしょう。現状の職場で毎日希望する時間帯に退勤できない、決まった休日がとれないといった状況であれば、結婚後は家事と仕事を両立するために、転職を検討する人もいます。


理由2: 扶養に入るため

夫と相談し、結婚後は「妻が夫の扶養に入ったほうが良い」と判断する家庭もあります。扶養に入るためには、年収を調整する必要があるため、雇用形態を正社員からパートに変えたり、働く時間をフルタイムから短時間労働に変更したりするなど、働く時間や雇用形態を変える必要があるのです。

また、パートナーの扶養に入ることでパートナーの税金額が控除されますが、要件や控除額はパートナーの年収によっても変わります。そのため、自分は年収いくらまでならパートナーの控除額を減らすことなく働けるのか事前に相談しておくと良いでしょう。


理由3: 引っ越しをするため

結婚を機に夫の勤務地を考慮した結果、やむを得ず引っ越しをしなければいけない場合もあります。結婚前は遠距離恋愛をしていて、離れた場所でそれぞれ働いていた状況であっても、結婚後は同居するために夫の勤務地の近くに引っ越さないといけなくなることもあるでしょう。その場合は、現在の会社に通えなくなってしまうため、そのまま退職を決断する人もいます。

最近では在宅勤務が可能な企業も増えているため、勤務先から離れていても仕事を続けられる企業はあります。ただ、完全在宅勤務に対応している企業はまだまだ少ないため、結婚に伴う引っ越しによって退職を余儀なくされる女性もいるのです。


結婚前後に転職するメリット・デメリット


結婚を機に転職する場合、結婚の前に転職するほうが良いのか、結婚後に転職するほうが良いのか、迷う人もいるでしょう。ここからは結婚前と結婚後に転職する際のメリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。




―結婚前に転職するメリット・デメリット


結婚前に転職するメリット・デメリットについて、それぞれ解説します。


メリット

結婚前に転職をするメリットは、転職先の仕事のリズムに慣れてから結婚ができるため、生活のイメージがしやすいことが挙げられます。残業時間は月にどの位になりそうか、休日はいつになるのか、給料はどの程度もらえるのか把握してから結婚生活に入れるため、それを基準として新生活を始めることができます。 また、子どもを望む女性の場合、余裕をもって会社に産休の申請ができると上司や同僚からの理解を得やすいです。さらに、産休などの休職中に業務を代わる同僚に対して、時間に余裕をもって業務の引継ぎができるため、スムーズに休暇に入ることができるでしょう。

なお、育休利用を希望している場合は、目安として結婚の1年以上前に転職することをおすすめします。なぜなら、労使協定により、転職後1年未満での育休の利用はできない可能性があるからです。産休・育休をスムーズに取得するためにも、将来的に出産・育児を計画している人は、結婚の1年以上前を目安に転職できると良いでしょう。


デメリット

転職直後と結婚準備期間(結婚式の準備、住所変更や引っ越しなどの各種手続きなど)が重なると多忙になることが予想されます。人によっては結婚後慣れない生活が続くため、ストレスが溜まってしまう可能性もあります。結婚前に転職をする場合は、転職から時間を置いて、落ち着いたタイミングで結婚を考えると良いでしょう。

また、実際に結婚してみると予想していた結婚生活と現実の生活が異なり、両立が難しいなどの理由から転職した仕事を続けられなくなることも考えられます。その場合、再度転職活動をしなければいけなくなることもあるため注意が必要です。


―結婚後に転職するメリット・デメリット


結婚後に転職するメリット・デメリットについてそれぞれ解説します。


メリット

結婚後に転職をするメリットは、結婚後の生活リズムと勤務形態や終業時間がマッチしているかなど、結婚後の生活環境に適した企業を選べることが最大のメリットです。

また、結婚で苗字変更がある場合、結婚後の入社であれば、銀行などの名義変更の手続きがすべて終わったあとに入社できるので、住所届の提出や口座情報の登録などを二度やる必要がありません。結婚前の入社では、結婚したあとに住居が変われば住所届を変更したり、口座名義を変える手続きをしたり、結婚届を出したりしないといけません。結婚後の転職であれば、その分の手間が省けるでしょう。


デメリット

結婚後に転職するデメリットのひとつは、応募できる求人がある程度限られてしまう可能性があることです。すでに子供がいる場合、時短勤務を希望するなど働く時間に制約がある状態であれば、求人の選択肢は狭くなります。

また、これから子供を望む場合でも、転職後1年間は育休が取れない可能性があるので注意が必要です。さらに、 転職後1年以内は住宅ローンが組めないことが多く、マイホーム購入を考えるのであれば、結婚後マイホームを購入してから転職するのがおすすめです。



ベストな転職タイミングはいつ?


結婚前、結婚後の転職には、それぞれメリットとデメリットがあることを解説してきました。では、結局どのタイミングで転職をするのがベストなのでしょうか。以下の3点を考慮して、自分にとって最適な転職のタイミングを見極めましょう。


―できれば結婚式と転職活動は同時に行わない方が良い


転職活動と結婚式の準備が重なってしまうと、忙しくなるのは目に見えています。どちらも準備に膨大な時間がかかります。転職活動では選考書類の作成や面接対策、企業や業界の情報収集などを行わなければなりませんし、結婚式は出席者の決定、招待状の作成、式当日に使う映像の準備などが必要です。それぞれの準備に時間がかかるため、どちらも並行して行うことは、できれば避けた方が良いでしょう。


―時期を選べるなら、結婚1年以上前の転職がおすすめ


結婚を機に仕事を辞めたり、雇用形態を正社員から変えたりする女性はいますが、結婚をしても変わらず仕事を続けることを望む女性も多いです。そして、中には将来的に子供を望む女性もいるでしょう。そのような女性は結婚1年以上前の転職がおすすめです。

結婚前の転職であれば、働く時間を時短勤務にするなど制限することなく働けるため、求人の選択肢を狭めずに転職活動ができます。また、入社後1年以上経てば育休の取得も問題なく行えるため、業務の引継ぎ期間をしっかりと設けて産休に入ることも可能です。仕事・出産・育児、全てにおいてどこかで妥協することなく自分の納得のいく選択をするためには、結婚1年以上前の転職をすると良いでしょう。


―結婚後に転職するならライフプランとの兼ね合いを考慮しよう


結婚後の生活は必ずしも予想通りになるとは限りません。結婚後の生活と仕事の両立に無理が生じないか不安であれば、結婚後に転職を考えても良いでしょう。結婚後の転職であれば、実際の結婚後の生活を基準に仕事選びができるため、ミスマッチを防げる可能性が高くなります。ただし、この選択をおすすめできるのは、転職直後にマイホーム購入や妊娠・出産の予定がない人限定となります。先述した通り、転職直後は住宅ローンが組めない可能性が高く、育児休暇が取得できない可能性があるからです。

結婚式の予定やマイホームの購入予定、子供を望むかどうかによってもベストな転職タイミングは異なります。仕事だけではなく、プライベートのライフプランも合わせて考えて、自分にとって適切な転職タイミングをしっかりと見極めましょう。


結婚前後に転職活動を行うときのポイント


自分にとって最適な転職タイミングをおさえたところで、ここからは結婚前後に転職するときのポイントについて解説します。


―ポイント1. パートナーと相談する


結婚を機に転職活動を行う際には、パートナーとの相談が必要不可欠です。お互いの勤務地や収入状況などを考慮して、転職先を検討する必要があるため、必ず転職前に相手と相談するようにしましょう。

また、結婚前、結婚後どちらのタイミングで転職するかについても相談することが大切です。結婚後、家事をどのように分担するのか次第で、自分の雇用形態や働く時間が今のままで適切なのか判断できます。その際に、フルタイムの勤務が厳しいと判断したなら、結婚前に職を変えるのが良いですし、ある程度分担できるのであれば、そのまま仕事を続けて様子を見てから転職しても良いでしょう。


―ポイント2. 産休・育休・時短制度の取得実績を確認する


将来、子どもを望む場合、転職先の産休・育休・時短制度などの各種制度が整備されている企業であるか、実際の利用率はどの程度なのかチェックするようにしましょう。

取得実績の高さは、子育てと両立しながら働く女性への一定の理解がある証拠になりえます。制度があるという事実だけではなく、可能であれば同じ部署に子育て経験者がいるかを確認しましょう。また、子どもが小さいうちは時短勤務をし、子どもが大きくなったらフルタイム勤務をしている実例がないかなど、先輩社員にヒアリングできると良いでしょう。直接面接時に質問をすることもできますが、転職エージェントを利用している場合はエージェント経由で聞いてもらうのがおすすめです。


―ポイント3. 残業時間・休日出勤の実績や転勤の有無を確認する


毎日のように長時間の残業があったり、休日出勤や出張が頻繁にあったりする仕事だと、パートナーと過ごす時間が十分に確保できなくなることも考えられます。残業や休日出勤に関する内容は、エージェント経由で応募前に問い合わせたり、求人票に記載されている平均残業時間を確認したり、面接で担当者に質問したりするなど、できる範囲で確認しましょう。


―ポイント4. 家族手当・扶養手当など福利厚生の充実度を確認する


企業の福利厚生も確認することも大切です。家族手当・扶養手当など福利厚生が充実している場合は、給与額が希望に満たなかったとしても、結果として手取り額が増えることもあります。必要な給与額を支出などから判断し、さらに家族手当や扶養手当などの福利厚生の充実度を確認することで、より自分の理想に近い企業選びができるでしょう。



まとめ


結婚前後の転職について解説してきました。それぞれの転職にはメリットもデメリットもありますが、できれば結婚1年以上前の転職がおすすめです。仕事にある程度慣れてから結婚生活の準備ができるので、生活リズムをイメージしやすく、産休・育休などの制度もスムーズに利用できるからです。

ただし、結婚してから生活が予想以上に変わることもあります。不安であれば結婚後の生活に慣れてから、その生活の基準にマッチした企業を選べるように、結婚後の転職を考えてみても良いでしょう。その場合、マイホームの購入や子どもを望むかどうかなどライフプランとの兼ね合いを忘れずに考えるようにしましょう。

また、結婚を控える人はパートナーとの転職前の相談が大切です。相手と自分のお互いの都合をそれぞれ確認してください。そして、入社後に後悔しないためにも転職先を選ぶ際には制度の活用状況や、労働時間の実態、福利厚生の充実度などを事前に確認し、自分が納得してから応募をするようにしましょう。

 

この記事を監修したキャリアアドバイザー:


八重樫 勇輝 

株式会社Reboot代表取締役


年齢:29

出身地:岩手県

趣味:漫画・映画鑑賞


経歴:

自分の転職活動の際、周囲のサポートで助けられたことをきっかけに、今後は自分が求職者の助けになることを決意し、起業。

現在は代表自ら求職との面談・就職支援を精力的に行う日々に明け暮れている。

求職者の皆様への一言:

面談から求人のご案内、資料の作成、入社後のフォローまで手厚くサポート致します!










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